近代日本の経済を牽引した巨大財閥の名家と、その家紋
現代に続く名家・名門の名字と家紋③
<十大財閥の家紋>
●野村家「蔦」
這い茂り増え続ける蔦は、一家繁栄の吉祥紋。昭和29年制定の社章は野村家の蔦紋に屋号「ヤマト」と組み合わせたものだ。
●古河財閥「鬼蔦」
「枕草子」などで幽艶な美しさを讃えられた蔦は文様として流行、徳川吉宗も用いている。鬼蔦は葉の縁が鋸刃状になったもの。
●中島家「下がり藤」
中島家の下がり藤は、一条家、二条家、九条家などとは異なり、中央に垂れる蔓がなく、藤円(ふじのまる)に形象化されている。
●大倉家「溝口菱」
正倉院御物にも見られる文様が菱紋の始まりだが、基本形が単純なだけに変化も多様。この紋は菱形を5つ重ねた図像になっている。
●鮎川家「丸に左三つ巴」
西園寺家が最初に牛車につけた事で知られる巴紋は、次々に変化して二つ巴、三つ巴などを生んだ。鮎川家の巴には丸が付いている。
●浅野家「浅野扇(沢瀉扇)」
沼や田に生える沢瀉は矢尻型の葉をもち、白い花が咲く多年草。半開きのたたみ扇を加えた家紋は、浅野扇紋ともいう。